研究室の設備

    研究に必要な設備は整っており、学生はこれらの機器を使いこなして研究に励んでいます。

    分析機器

    超伝導核磁気共鳴吸収分析装置 (FT-NMR)
    (日本電子製 Lambda 400)


    有機化合物の構造を決めるための「必需品」です。この装置を使うと、主に、水素の原子核(プロトン)の化合物の中での位置や化合物の骨格・官能基がよくわかります。強い磁場の超伝導電磁石を維持するために、液体ヘリウムでその電磁石のコイルを冷やしています。400 MHzのNMRというのはかなり強力ですが、さらに複雑な化合物の構造を調べたいときは、大学共用で600 MHzのNMRがあり、使うことができます。



    赤外分光光度計 (FT-IR)
    (Nicolet製 Protege 460)

    赤外線を化合物にあててその吸収を測定します。化合物を構成している原子間の結合の種類や強さがわかります。有機金属錯体の構造を調べたいため、低波数領域まで測定できる仕様になっています。


    分取用ゲル浸透クロマトグラフィー (GPC)
    (日本分析工業製 LC-908)

    シリカゲルカラムで化合物が分かれにくいときの精製に威力を発揮します。分子の大きさにより分けることができます。リサイクルできるので、原理的には無限に長いカラムが使えることになります。研究室には、ほかに分析用の液体クロマトグラフィー(HPLC)もあります。


    ガスクロマトグラフィー質量分析計 (GC-MS)
    (島津製作所製 QP-2010)

    比較的に低分子量の化合物の分子量を知りたいときに使います。測定装置の中で化合物はイオンとなり、いくつもの断片(フラグメント)になりますが、その切れ方から、化合物の構造を決めるための情報も得られます。



    ガスクロマトグラフィー (GC)
    (島津製作所製 GC-17A)

    キャピラリーといって、細い管の中を化合物が気体となって通ってゆくときに、化合物により速さが違うために分離できます。化合物は水素で燃やして検出します。2台あります。上のGC-MSの質量分析計の前にもキャピラリーGCがあります。そのため、GC-MSはガスクロマトグラフィーの検出器として質量分析計がついたものと見ることもできます。


    旋光計
    (堀場製作所製 SEPA-300)

    不斉な化合物は、偏光面を回転させる旋光という性質をもっています。純粋な化合物の旋光度と、得られた化合物の旋光度を比較して、その(光学)純度を測定する機器です。

    ほかにも、X線単結晶構造解析装置が岡山大学大学院自然科学研究科棟に大学共用の機器としてあり、利用しています。イメージングプレート方式なので短時間で測定できるという利点があります。