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研究テーマ

T.新規機能セラミックス材料の研究開発

(1)酸化鉄系磁性半導体薄膜材料

概要

近年、電子の電荷とスピンを独立に制御し、かつ利用するスピントロニクスが新しい技術分野として発展しつつある。そしてそのスピントロニクスを担う材 料として、磁性半導体が注目され、その開発が急がれている。しかし、周期表上の元素を網羅的に利用する従来型の材料開発は、機能性向上に大きな貢献をした一方で、有害元素 等による環境汚染など負の側面も生んでいる。くわえて、現在の電子デバイス材料の多くは、資源的に希少性の高い元素を利用しており、経済的、地政学的な問題も多い。そこで 本研究では、究極の環境調和型ユビキタス材料として、自然界に対して全く無害であり、かつ、地球上に豊富に存在する酸化鉄と酸化チタンに注目し、鉄チタン複合酸化物のもつ 多彩な原子価状態を利用した新規かつ独創的な磁性半導体材料の開発を行なっている。その結果、フェリ磁性を示すFe2-xTixO3固溶体のエピタキシャル薄膜化に世界で初めて成功 するなど、すぐれた研究成果を上げている。

 

発表論文

  • Y. Takada, M. Nakanishi, T. Fujii, J. Takada, Preparation and characterization of (001)- and (110)-oriented 0.6FeTiO3・0.4Fe2O3 films for room temperature magnetic semiconductors, Appl. Phys. Lett., 92 (2008) 252102.
  • Y. Takada, M. Nakanishi, T. Fujii, J. Takada, Y. Muraoka, Preparation and characterization of epitaxial Fe2-xTixO3 films with various Ti concentrations (0.5 < x < 1.0), J. Appl. Phys., 104 (2008) 033713.
  • T. Fujii, Y. Takada, M. Nakanishi, J. Takada, M. Kimura, H. Yoshikawa, Electronic structure of stoichiometric and non-stoichiometric epitaxial FeTiO3+ films, J. Phys. Conf. Ser., 100 (2008) 012043.

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