研究テーマ
Ⅳ．微生物由来酸化鉄の研究
（２）鉄バクテリアの単離・同定・純粋培養
概要
地球上には実に様々なバクテリアが存在しており、その中には特異な形状（螺旋状や中空繊維状）の酸化鉄（図1）を形成するものが存在します。このようなバクテリアは、総じて"鉄バクテリア"と呼ばれ、水中のFe2+をFe3+に酸化することによって、特異な形状の酸化鉄沈殿物を作ると言われています。
このような鉄バクテリアが作る酸化鉄は、世界中の至る所で見られ、湧水地や側溝など私たちの身近なところに存在しています。最近、この鉄バクテリアの生物活動を利用し、地下水中のFe2+除去し飲み水（上水）を供給する"鉄バクテリア法"が開発され注目されています。しかし、どこにでも存在する鉄バクテリアですが、その多くは非常に単離や純粋培養が難しく、100年以上も前に発見されながら、未だに多くの謎が残っています。
私たちはこの謎を解明するために、鉄バクテリアの単離・純粋培養を行い、鉄バクテリアの体系化とその性状を明らかにする研究を行っています。また古代の酸化鉄系赤色顔料と鉄バクテリアとの関わりについても調査を行っています。
図1 光学顕微鏡写真