岡山大学方式人工網膜 本文へジャンプ
今後の展開

臨床試験での手術手技
 岡山大学方式の人工網膜の特徴は、材質が柔らかく薄いため、大きな面積をもったものを網膜下へ挿入し固定しやすいという点である。私自身、網膜硝子体手術を専門としているので、手術によって人工網膜をどのように埋め込むかを常に念頭に置いて研究を進めている。現在、出来上がった試作品ならば、通常の3ポートの硝子体手術で、20ゲージの強膜創から丸めて硝子体内に挿入できる。さらには、脈絡膜新生血管抜去の時の黄斑下手術や網膜移動術の要領で、後極部に人工的網膜剥離を作り、網膜にあけた小さな意図的裂孔から人工網膜を網膜下へ押し込んでから開き、パーフルオロカーボン(perfluorocarbon)で押して網膜下液を排出し、人工網膜と神経網膜を密に接触させる。それから、意図的裂孔をレーザー凝固し、硝子体内をシリコン・オイルで入れ替えるシリコン・オイル・タンポナーデを行う。


医療機器としての人工網膜
 最終的に人工網膜は、企業によって薬事法に基づいて製造され、医療機器として厚生労働省の承認(認可)を得なければならない。医療機器にとっての必要条件は、生体にとって安全であり、疾患に対して効果があり、品質が安定している点、つまり、「安全性」、「有効性」、「品質」である。また、実際の治療に人工網膜を用いるためには、手術によって埋め込まなければならないので、入院料や手術料の問題も生じるであろう。人工網膜を治療として実現し普及させるには、このような問題を1つ1つ乗りこえていかなければならない。
 
岡山大学医学部眼科学教室HP→  ◎岡山大学工学部高分子材料学研究室HP→